国・個人

このような意見をよく聞くね。「隣人に自分の家族が殺されようとしている時に何もせず黙って殺されるのを見ているのですか？」・・・個人と国や組織を混同している事に気がつかないんだね。
もし国が間違っていると思うときに声を上げるのは、自分の信念を守る事。
国という概念だけのものと自分と重ねる事がおかしいとは思わないのだろうか。
自分の危機というのは誰にでも起こる事だが、それは個人責任とかではなく、それなりに避ける為の行動をするだろう。
しかし、それを国と言い換えるとき、個人の細胞化を認める事になる。全体主義を認める事になる。自らを他人にゆだねて付き従う事を受け入れる事になるのじゃないか。それは個人の死だと思う。
この世界の本質を自己の魂ではなく、所属や人種で考えるなら、自分を取るに足らない駒であり、判断は国のトップに任せるという事になる。
ここが肝なんだよ。
現憲法は個人を最大限尊重する事になっている。
全体主義者に取っては、非常に不都合な決まりになっている。
これは各自の自分という存在をおおいに政府は尊重しなければならないという事だよね。
オレは、裸で人間として生まれ、自我を持ち、個人として世界を学び、人を愛し、友人と楽しみ、創造の喜びを感じながら生きている。そして、現憲法はそれを尊重してくれている。
トチ狂った全体主義者が幅を利かせない為の決まりだ。

そこで、最初の話に戻るけれど、危険はいつも可能性としてはあるだろう、だからといって町を歩くのにナイフや拳銃を持ち歩くか。そういう考えこそ危険じゃないかな。仮に襲われたら？？　ないとはいえない。でも、いつ交通事故に遭うか、通り魔に遭うか、旅客機が落ちてくるか？？？　人には運というものがある。それは受け入れるしかないだろうよ。出来る限り理性的に対処したいと願う。
合気道の達人である塩田剛三は、本気で自分を殺しにきた者と友達になるのが究極だと言ってる。
あのような達人と同じ境地にはなかなかなれるものではないにしても、人間を人間として尊重する理想を感じるな。そのようにありたいと思う。ガンジーやキング牧師の強い意志による非暴力実践は尊敬している。自分の精神を全うする為には、その身を守る為だけの武力などあまり意味があるとは思えない。人間、喧嘩をして肉体的に相手を打ち負かしたとしても幸せな気持ちになどなれないよ。喧嘩をさけるのが、もっとも胆力のいる事だ。日本であろうが朝鮮であろうが中国であろうが、個人の集まりだ。いろんな人がいるのは当たり前だけど、戦争したくない人が大勢だろう。そういう人達との相互コミュニケーションが本当に大事だと思うね。肩を怒らせて互いに武器をちらつかせ、油断ならないびくついた精神でやる外交なんて、町の暴力団と何ら変わりない。
臆病者ほど見栄を張り、武装し、人を信頼する度量がない。
これは、いつの世でも真理だと思う。
安倍晋三の度量や胆力のなさには呆れ果てるが。　あっ、知力のなさにもだ。